こんにちは!
今回は、とっても面白い本、
『展覧会の「怖い絵」』著:中野京子(角川文庫)についてです。
あの大人気ベストセラー本『怖い絵』シリーズの、展覧会バージョンです!
本屋さんでこの本を見つけた瞬間に思いました、
えっ、展覧会が開催されたの!?知らなかった~!行きたかった~!(泣)
展覧会「怖い絵展」は、2017年に東京と兵庫で開催されたそうです。
私は愛知県住まいですが、知っていたら絶対に行っていました・・・。しくしく・・・。
ただし、会場が相当混雑していたそうですので、行ったとしても入れなかった可能性もありますね。
また開催してくれないかなあ・・・・。
ぜひ愛知県での開催もお願い致します、そしてその際は、派手に宣伝して頂けるとありがたいです!!
(↑一般人の気楽さですみません・・・)
『怖い絵』シリーズは、絵画に興味のある方でしたら、一度はお読みになったことがあるのではないでしょうか。
今でこそ、名画とその作者等について「深堀り」し、専門家ではなく一般の人向けに面白く解説した本はたくさん出ています。
それらの第一人者と言えるのが、『怖い絵』シリーズの著者である中野京子先生だと思われます。
とにかく面白くてグイグイ引き込まれる!名画は物語なのです
ドイツ文学者である中野京子先生は、幅広く深い知識や鋭い観察眼を十二分に活用し、名画について非常に興味深い解説を展開しておられます。
時にユーモラスな文体でクスっと笑いつつも、改めて、名画とは歴史であり物語なのだと、感じ入りました。
大げさに言えば、名画の背後にある人や生物・世界・宇宙の悠久なる営みまでも感じられる気がします。
↑ごちゃごちゃ説明しましたが、よくある解説本のように退屈ではなくて、とにかく面白いんですよう!
読み出したとたんに、面白くてグイグイ引き込まれるような文章が見事だなあ!と思っていたら、理由が分かりました!(←?)
中野京子先生はお若い頃に、某推理小説新人賞の最終候補に残ったことがおありだそうなんです!(←これはすごい事ですよ!!)
道理で、読者が興味をそそられるような、次々に先を知りたくなるような「ツボ」を心得ておられるはずです。納得。
ミステリー好きの方は、中野京子先生の著作全てをすごく楽しめるのではないでしょうか(^^♪
ちなみに私もミステリーファンです、えへ♪(←何だろう、この「えへ」は・・・)
出たー!怖い~!「切り裂きジャック」の正体は!?
本書では、ウォルター・シッカート作『切り裂きジャックの寝室』が紹介されています。
「切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)」の名は、ミステリー好きの方でなくとも、聞いたことがおありでしょう。
19世紀末、ロンドンの最貧民街イーストエンド(イーストエンド・オブ・ロンドン)にて暗躍した、連続猟奇殺人鬼です。
そして、ウォルター・シッカートと言えば!
そうです、米国のベストセラー・ミステリー作家パトリシア・コーンウェルです。
本書でも触れられているように、彼女のノンフィクション小説『真相』で、シッカートはあることを暴露されています。
少し話が逸れますが、『真相』は私も、翻訳本が出版されてまもなく書店で買い求め、一気読みしました。かなり前の話です。
・・・・・めちゃくちゃ怖かったです。
1か月くらい引きずりました。あまりの恐怖で、毎晩電気をつけっ放しにして寝ておりました。
読まなきゃ良かった・・・・(ブルブル・・・・)と何度も思いました。
しかし、ミステリーファンとしては、ジャック・ザ・リッパーの正体をずっと知りたいと思っていたので、読むしかありませんんでした。
読み返す勇気は、僅かにも残っておりません。
今も家の押入れの片隅に、『真相(上・下)』(講談社)はひっそりと眠っています・・・・・
話を戻しまして、中野京子先生の解説も非常に興味深かったです。
パトリシア・コーンウェルよりはシッカートに関する記述がマイルドで(?)、ほんの少し安堵できたような気もしました。
・・・いや、やっぱり余計に怖くなった気がしないでもありません。
※詳しくは、本書のp198~をご覧ください。
後書きの「「怖い絵展」ができるまで」が、とても面白い!
本書の末尾に、「怖い絵展」が開催されるまでの顛末などが綴られていまして、これがまたとっても面白い!
しかも、少し泣けました。
私は以前から、時々絵の展覧会に行ったりして、疑問に思うことがいくつかありました。
例えば、
どうやって絵画(←例えば何億ドルもするような)を貸してもらったり、運んだりするのだろう? とか、
ひょっとしてレプリカ(模造品)なのか? とか、
貸してもらうのにいくらかかるのだろう? とか、その他色々。
まあとにかく、展覧会を開くには、
お金と人手と時間がめちゃくちゃかかって、気苦労が山ほどあって、すんごく大変なのだろうなあ、
とは想像していました。
私の全ての疑問は解消しませんでしたが、(←あたりまえ)
一般人の知り得ない裏の事情などを記述して下さっており、とてもとても興味深く拝読致しました。
そして、
やっぱり想像以上にとてつもなく大変なことなのだなあ!すごいなあ!!
と、中野京子先生及び関係者の方々に尊敬の念を抱きました。
※詳細は、本書のp224~をご覧ください。
それにしても、展覧会に行くことができなかったのは、やはり残念でなりません。
行きたかったよう・・・・、しくしく、しくしく、しくしく~~~・・・・・(←怖い)
ということで、今回もお付き合い頂きまして、ありがとうございました!
ちなみに、本についての過去記事になります。(下記)
ご興味のある方は、ぜひどうぞ!(^^)/
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●西洋美術について、始まりからざざっと楽しく面白く学びたい方におすすめ♪
絵もたくさん載っていて、すごく楽めます!画家のゴシップも満載!?
『東京藝大で教わる西洋美術の見かた』 著:佐藤直樹 - そよかぜ日記
●雄大なアラスカの動物写真で著名な星野道夫氏による、示唆に富んだエッセイ本。
星野道夫氏の博学多才ぶりに驚きつつ、美しい自然描写に心を洗われます・・・・
●本当に寝不足になります、要注意な推理小説。
読む時にはスケジュール管理をして下さい・・・・
ミステリー小説『ハリー・クバート事件』について - そよかぜ日記
●歴史が苦手だった人が、歴史好きになってしまう!おもしろ歴史本!
後藤武士先生の軽妙な語り口が楽しいです!
『読むだけですっきりわかる世界史 現代編 』(著:後藤武士)を読んで - そよかぜ日記
●おもしろ歴史本の、現代史バージョン!やっぱり面白い!!
『読むだけですっきりわかる現代史 』(著:後藤武士)を読んで - そよかぜ日記
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ようやく春がやって来ましたね!
皆様に良いことが訪れますように・・・・・(^^)