そよかぜ日記

器のオンラインショップzephyr(ゼファー)担当者によるブログです。 器と無関係なことも、色々つづっています。

『旅をする木』 著:星野道夫

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旅をする木星野道夫 著

こんにちは!

今回は、星野道夫氏の著した本、
旅をする木』についてです。

 

星野さんは国際的写真家であり、
1996年に熊と遭遇して亡くなられるまで、
数々の素晴らしい写真を撮影されました。


雄大なアラスカの自然や動物の写真を、
誰もがきっと一度は目にしたことがあると思います。

 

私は、
2000年に開催された『星野道夫の世界』展を見に行き、
写真の美しさに感動して思わず涙したことを覚えています。

 

 

 

星野道夫さんの、博学多才ぶりに驚く

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この本は、いつだったかに
書店でたまたま見かけて購入しました。

 

旅をする木』というタイトルに、妙に惹かれました。

「どういう意味かはよく分からないけれど、なんて素敵なタイトルなんだろう…」

 

どうやら、
章のタイトルの一つが本のタイトルになったようでして。

その章は、本の156ページから掲載されており
内容もタイトルに負けず素敵です。

 

そして
本書を読んで驚いたのは、星野さんが非常に多識であることです。

「伝説の写真家」と言われるだけあって(?)、
この方は、ただの(?)アラスカ写真家ではありません。


さらに、
『十六歳のとき』という章がp163から載っているのですが、
この章を読んだときに
「あ、やっぱりこの人は、子供の頃から普通ではないな」
と思いました。


ちなみに、この章もすごく面白いです!
わくわく、ハラハラします。

まだ少年だった頃の星野さんにくっついて、
自分(しかも子供の頃の自分)も旅をしているような気分になれますよ!

 

 

 

 

アイヌの老人、又吉さんは一体何歳なの…!?

 

この本は、どの章も本当に面白いです。

例えば
『坂本直行さんのこと』(p66~)という章に書いてある、
アイヌの老人、又吉さんの話。

 

星野さんが、
山岳画家である坂本直行さんの著書『雪原の足あと』を読み、
「(その本の中で)最も強く心に残った」話として紹介されています。


生年月日の不明な又吉さんは、本当は一体何歳だったのか。


…生命の不思議を感じました。

 

 


アラスカにある入江リツヤベイで、たった一人で22年間暮らした男


『リツヤベイ』という章(p136~)も印象的でした。

 

「リツヤ・ベイ(リツヤ湾)」は、アラスカにある入江の名前。

米国、アラスカ州の州都であるジュノーから、
西に約200km程の所にあります。


ジュノーは、アラスカ州の南東あたり。
地図で見ると、
カナダに囲まれているように見える部分あたりにあります。

 

この人里離れた入江に、かつて「世捨て人」が住んでおり、
星野さんは彼のことがずっと気にかかっていたそうです。


その彼はどんな人で、どんなことをしていたのか。

 

本の中で星野さんは
「(彼のことは)ぼくの記憶の中になぜか沈殿した」
と書いておられましたが、
私の記憶にも不思議と刻まれることになりました。

 

 

魅力的な人々、様々な土地の風景や空気


前述の『旅をする木』(p156~)の章に登場する、
自然を愛する生物学者ビル・プルーイット氏。


『生まれもった川』(p176~)の章に登場する、
「風のように自由な精神をもった」老人、ビル・フラー氏。

 

他にも、数々の魅力的な人々が登場します。
そして、様々な土地の風景や空気。


アラスカの氷河上で、「夜の静けさ」「風の冷たさ」を感じ
「降るような星空」を眺める。

フェアバンクス郊外の「早春の風」や、
「うねるようなベーリング海の波」。

時には熊の巣穴に入り、
眠っている熊の「香ばしい匂いと肌のぬくもり」を確かめたりも。

 

 

どの章も温かくて、興味深い話ばかりです。
この本は、私にとって宝物の一つになりました。

 

 

ところで先にも書きましたが、
2000年の写真展は本当に良かったです。

 

展示会場ではエンヤの曲が流れており、
これらの曲が写真とぴったり合っていたからなのか、
涙と鼻水がつーっと出てきたのを思い出します。

ちょうど平日の空いている時間帯で、
鼻水を(多分)誰にも見られなくて幸いでした。

 

その当時は知らなかったのですが、
星野さんの奥様の直子さんは、
結婚され子供が生まれて2~3年ほどで星野さんを亡くされています。

この本を読んで初めて知り、胸が痛みました。

 

インターネットで調べてみると、
直子さんは今までずっとお元気にご活躍されているようで、
本当に良かったです。

 

長くなりました、
今回もお付き合い頂き、ありがとうございました。

 

 

 

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