2017年アメリカ
キャスト：ジョシュ・ブローリン
マイルズ・テラー
ジェニファー・コネリー
ジェフ・ブリッジス
こんにちは！
今回は、映画『オンリー・ザ・ブレイブ』のご紹介です。
「オンリー・ザ・ブレイブ（Only the Brave）」の意味は、
「無双の勇者たち」、のような感じでしょうか。
森林消防隊の活動を描いた映画で、
実話を基に作られています。
実は先日ＤＶＤで鑑賞したばかりなのですが、
もっと早く観れば良かったです。
できれば映画館で観たかった。
名作と言ってもジャンルは様々ですが、
私にとってこの映画は、
「心が掻き乱された時に、懐から出して握りしめる小さな木仏」
のような存在の一本になりました。
・・・彦摩呂さんのように上手く例えられません。
話の大筋としては、
ダメ人間の青年が、あるきっかけで森林消防隊の一員となり、
彼らと共に成長していく物語。
並行して、
地方の消防隊が、森林消防の精鋭部隊「ホットショット」を目指して、
日々努力する物語。
山火事って、どうやって消すの？
ところで皆様は、
山火事の消し方をご存じですか？
私は、正直に言いますと、ほぼ知識ゼロでした。
近頃、森林火災がよくニュースになっていますが、
「そういえば、どうやって消すんだろ～？」と、ぼんやり思っておりました。
現在、市街の火災は、水で消火しますよね。
森林火災の消火には、火を使います。
「江戸の火消し」に近い感じでしょうか、
延焼を防ぐことが基本となります。
燃料（木）が無ければ、火は消えます。
従って、
天候・風向・風速・湿度・気温・地形などを考慮して
火の進行方向を予測し、
先回りして木を焼き払っておくのです。
また、「防火帯」と呼ばれる溝を掘ったり、
「迎え火」を起こす等も行います。
「防火帯」は、火の行き場を無くすための溝や地帯。
「迎え火」は、火の進行方向を変えたり、火力を抑え込むための火。
更に、
飛行機によって空から大量の水を落とす、空中消火も行います。
映画の、これら消火活動の場面では、
ご自身も消防隊の一員になったつもりで観て頂きますと、
より一層理解が深まります。
消火活動が始まる前に、仕切る人が地図を用いて状況を説明しますので、
その場面では集中して下さい。
火災の状況・位置関係を頭に入れておかないと、
何をしているのか分からなくなります。
尊敬すべき職業人、欠点だらけな等身大の彼ら
この映画の主役と言いますか、
視点となる人物は２人です。
一人は先にも書きましたが、ダメ人間だった青年（マイルズ・テラー）。
もう一人は、消防隊の隊長（ジョシュ・ブローリン）。
この隊長が、本当にかっこいい。
そして、隊長の奥さん（ジェニファー・コネリー）もかっこいい。
役者さんたちも超一流揃いで、表現が実にうまいです。
余談ですが、
ジェニファー・コネリーは本当に良い表情をするなあ、と思いました。
何というか、目が物語るような。
このように、一応中心となる人物はいるのですが、
主役はやはり消防隊員全員なのかな、とも思います。
それから、森林消防に携わる全ての人々も。
時には馬鹿だったり格好悪かったりと、
決して完璧ではない欠点だらけの彼ら。
けれども、仕事に関しては皆真剣で、
消防士を辞めない限りずっと続く厳しい訓練にも日々耐えています。
そして火災が発生し、いざ出動となると、
危険極まりない場所で重労働を黙々とこなす。
ああ、立派だなあ。 なんて美しいんだろう。
尊敬の思いで、胸が熱くなるのでした。
そうそう、驚いたのは、森林消防隊の消防服。
工事現場のおじさんのような、作業着なんですよ。
登山や作業などのため、重い装備は不可なのだそうです。
「こんな軽装で、火から身を守れるのか？」
と思って観ていたら、
万が一の時には「防火テント」なるものを使うらしいです。
このペラッペラのシート「防火テント」をかぶり地面に伏せて、
火が体の上を通過するのを待つ、とのこと。
いやいや、怖すぎるでしょう。
事実に基づいた映画です
※この先はネタバレになるかもしれませんので、ご注意ください。
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2013年に米国アリゾナ州で起きた、ヤーネルヒル火災。
記憶力の良い方は、その結末も覚えていらっしゃるでしょう。
このアメリカ史上最悪と言われる巨大森林火災が、
映画の基になっています。
やはりノンフィクションは、その重みが違いますね。
心にズンと響き、いつまでも余韻が残ります。
余談ですが、この火災後に、
防火テントの改良が進められたそうです。
おっとと、書き忘れるところでした。
火災の映像も、この映画の見所ですよ。
ＳＦＸ（特殊効果）とＣＧも使われていますが、
なるべく本物の火にこだわったそうで、ものすごい迫力です。
怒り狂うような、そして時には怪しく美しい炎の映像は、
見事としか言いようがありません。
では、長くなりましたが、
今回はこれまでです。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
今回もいきなりで、すみません、
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